暮らしやすさを左右する『家事動線』とは?詳しく解説します

私達の暮らす家の間取りですが、広さだけでなく家事動線のことも考えられて作られていることをご存知でしょうか?普段意識することはないかもしれませんが、そのおかげでストレスを感じずに済んでいるのです。そのため新築をお考えの場合、家事動線を無視してしまうと快適さが失われるかもしれません。そこで今回は、家事動線についてご紹介いたします。

1. 家事動線とは

家事動線が何かといいますと、日々の暮らしの中で行っている料理や洗濯、掃除などの家事を行う際に、人が動く流れを表す線のことです。人が移動する線のことを動線といいますが、動線の家事を対象にしたものです。普段の生活の中での動きに関しては『生活動線』といい、料理や片付け、洗濯物を洗ってから干すなどの家事を行う上での一連の動きの流れとなります。

家事動線がしっかりと考えられている家は非常に暮らしやすいです。家事はどれも工程がいくつもあるものですので、すべての工程を流れるようにスムーズにこなせるというのは、無駄をなくし最低限の動きで済ませられることにつながるからです。 また、家族だけでなく誰でも家事を行いやすいという部分がポイントとなるでしょう。

近年では家事代行スタッフやホームヘルパーなどを活用されるご家庭も少なくありません。そうした場合に家事動線がはっきりとしていれば、説明などの手間も省けますしシンプルです。動きやすいだけでなく、どこに何があるのかを把握しやすい配置が肝となるわけです。家事動線によって、家事を行う上でのストレスを極力なくすことが目的となります。

2. キッチン周りのポイント

キッチンにおける家事動線を考える場合のポイントですが、『調理手順を踏まえる』というものになります。キッチンでは料理を行うときにとくに使いやすさが求められます。広いスペースを確保すれば動きやすくなり、料理をする際も便利だと思われるかもしれませんが、無駄に広すぎてもかえって移動の手間が増えるなど料理に支障が出る恐れがあるのです。そのため広さに関しては適度に確保できていれば十分でしょう。

調理手順を踏まえると、まずは食材を冷蔵庫から取り出し、シンクや調理スペースで切ったり混ぜたりと手を加え、コンロで炒めたり煮込んだりした後、最後にお皿に盛り付けて完成というのが基本的な流れとなります。この流れにおけるご自身の動きをしっかりと意識することが大切です。

食材だけでなく、調理の途中には調味料も取り出すでしょうし、お皿や調理器具なども取り出すこともあるでしょう。そうなった場合でも簡単にすぐ済ませられるような位置に収納を設けたり、冷蔵庫などの位置を考えるというわけです。 とくに重要となるのが、コンセントの位置と数です。意外と見落としがちですが、調理をする中でコンセントを使う機会が多いので、どの位置にいくつ用意しておくのかによって感じるストレスには雲泥の差が生まれます。

また、キッチンから玄関の距離も重要なポイントです。買い物から帰ってきて冷蔵庫などにしまうためにキッチンまで買い物袋を持って移動しなければなりませんし、ゴミ出しをするときもキッチンから玄関へと向かうことになるからです。一軒家であれば駐車場から最短距離に勝手口を設けるというのもいいのではないでしょうか。

3. 掃除を簡単にするポイント

掃除にはどうしても時間がかかってしまうので、いかにしてその時間を短縮するかがポイントとなるでしょう。掃除をする際、まず行わなければならないのが散らかったものを片付けることです。掃除機などをかけるにしても荷物が散らかったままでは難しいからです。この片付けという行動がなかなか時間のかかるものだったりしますよね。掃除の時間を短縮するのであれば、普段から気軽に片付けができるようにしておくといいのではないでしょうか。

とくにリビングなどの場合ですと、なにかものを使ったままついその場に放置してしまいがちです。しかし、それは片付けるのが手間と思うような配置になっていることが原因かもしれません。使ったらすぐにしまうということさえ徹底できれば、片付けの手間はなくなるでしょう。

そのためには、物を使う場所の近くに収納スペースを設けるというのが最も効果的です。 たとえば玄関には基本的に靴などを収納すると思いますが、お出かけの際には帽子やコートなど、靴以外にも身につけるアイテムがあるかと思います。本来それらはクローゼットに収納されているものですが、あえて玄関に収納することで部屋が散らかってしまうのを防げたりするのです。

4. 洗濯の負担を減らすポイント

洗濯の場合はとくに動作が決まっているので動線が重要となります。洗濯物を溜めておいて、洗って、干して、取り込んで、畳んで、しまうというこの一連の動作のことだけを考えればいいのです。洗ってから干すまでの動線に関しては考えられていても、取り込んで畳んでから最後にしまうまでの流れが考慮されていない場合が多くなっています。

たとえば、洗濯物を干す場所は通常バルコニーやベランダになるかと思いますが、それを脱衣場の近くに設置するだけでも非常に効果的です。脱衣所には洗濯機があるはずですので、洗濯を終えたらそのまますぐに干してしまい、収納に関しても脱衣場に設けることで、取り込んで畳んでしまうまでの流れもそのまま簡単に行えます。全ての服を脱衣場に収納するのは難しいと思いますので、タオルや下着など脱衣場にあれば手間が省けるものだけでいいかもしれません。

5. まとめ

家事動線一つで家の住みやすさは格段に向上します。毎日繰り返し行うものかと思いますので、その部分でストレスを感じないようにしておくのは非常に重要なことではないでしょうか。

「辰巳工務店」では、『永く住まう家』というコンセプトのもと、いつまでも快適にその家で住み続けられる家造りを行っております。新築をお考えでしたらぜひお気軽にご相談ください。豊富な経験を元に力となります。