無垢の家は後悔する?無垢材のメリット・デメリットやお手入れ方法を紹介

自然素材への関心が高まっている近年「無垢材を使った家を建てたい」と考える方も多いのではないでしょうか。

無垢材は、温もりのある風合いが魅力で、性能や健康面においてもメリットの多い素材です。しかし、採用する際にはきちんとデメリットを知らないと後悔につながる可能性が高い側面もあります。

この記事では、無垢材のメリット・デメリットやお手入れ方法を紹介します。

無垢材の特性を正しく知り、暮らすほどに愛着が湧く家づくりを行いましょう!

 

無垢材の特徴

無垢材とは、1本の木から伐り出した木材のことです。混じりもののないという「無垢」に由来しています。

木そのものの美しさや質感が大きな魅力で、無垢材を使用した家は温もりや優しさ、豊かな香りを感じることができます。

無垢材は接着剤などの化学物質を使わない自然素材であるために、健康面での安心感が高いことも特徴のひとつです。

無垢材のメリット

無垢材は多くの魅力を持つために、広い面積で風合いを楽しめるフローリングをはじめとした建材、そして家具や建具の素材としても人気です。

無垢材のメリットを紹介していきましょう。

温もりと高級感を演出する

無垢材が人気の理由としては、やはり代えがたい風合いがあるからでしょう。

見た目には美しく上質な印象で、触れた時には温もりを感じることができます。

また、無垢材は木の種類により木目や木肌、色味や香りがさまざまに異なります。同じ木でも部分により表情が異なるので、飽きることのない味わいを感じることができるでしょう。一般的な建材に使用される「木目調シート」には決して真似できないメリットです。

 

調湿性・断熱性が高い

無垢材は優れた調湿性と断熱性を発揮します。

湿度変化の大きな日本の気候にも柔軟に対応し、室内の環境をコントロールする効果が期待できるのです。冬には冷たさを感じにくく、湿度の高い梅雨でもさらっと快適な状態が保たれます。

 

リラックス効果・消臭効果が期待できる

無垢材にはリラックス効果や消臭効果のある精油成分が含まれます。

日本で非常に多く流通するスギやヒノキでは「フィトンチッド」といった精油成分を含み、上記2つの効果に加え、防虫効果や抗ウイルス効果を発揮することが分かっています。

無垢材の精油成分による効果は持続力が高いため、長期間にわたり芳香や効力を期待できるでしょう。

参考:国立研究開発法人 森林研究・ 整備機構・森林総合研究所|季刊「森林総研」

 

環境に優しいサスティナブルな建材

無垢材は、製造過程で二酸化炭素排出量や消費エネルギー量が少なく、リユースやリサイクルができるサスティナブルな建材です。

また、原木は生育過程で多くの二酸化炭素を吸収します。

建材に無垢材を取り入れるほど、環境負荷を軽減した家づくりが可能になると言えます。

 

「劣化」でなく「変化」が楽しめる

一般的な建材は年数を経るほどにキズや汚れ、剥がれなどのダメージを増やし劣化します。

無垢材も同じように経年しますが、ダメージすら変化の一部として蓄積し、深い味わいを生み出します。建築当初はさわやかな白木も、数十年経てばきれいなあめ色に近づいていくでしょう。

少しのキズや汚れに対しては削って補修できてしまう柔軟性も無垢材のメリットと言えます。

知っておくべき無垢材のデメリット

無垢材のデメリットは、事前に把握していなければ激しい後悔につながる可能性があるものです。

しっかりと確認しておきましょう。

個体差がある

樹種や部分によりさまざまな表情が楽しめる無垢材ですが、個体差は品質の差にもつながります。

そのため、一般的な工業製品である建材と同じような均質性を期待することはできません。

また、素材を扱う建築会社によっても仕上がりに差が生じます。無垢材を採用した家を建てる際には、十分に実績のある建築会社を選ぶ必要があります。

 

伸縮による変形リスクがある

無垢材は、急激な湿度・温度差が生じる環境下では変形することがあります。

例えばフローリングでは、材同士にすき間が生じたり、逆に膨らんで一部が盛り上がってしまったりするケースは少なくありません。

含水率の高い材料はリスクが高まるので、時間をかけてじっくりと自然乾燥された材料が一番理想的です。

この点でも、無垢材の扱いに慣れた建築会社を選ぶことが重要です。

 

設計・施工に知識と技術が必要

無垢材を扱うには、材料の選定からディテールの設計、施工に至るまで、十分な知識と技術が必須です。

材料さえあればどこでもきれいに施工できるわけではなく、無垢材をきちんと施工できる会社や大工は年々減っているのが実情です。

 

初期コストがかかる

量産型の工業製品に比べ、無垢材を採用する際には建築コストが割高になる点は否めません。

ただし、一般的な内装建材の耐用年数は10年程度と言われ、劣化が進めば交換にかかる費用が必要です。

それに対して、無垢材はお手入れ次第で何十年も美しい状態を保つことができます。

築100年を超える古民家などでも、柱や梁、床や建具に使用されているのはすべて無垢材です。長期的なコストを考えれば、無垢材はむしろ安いと言っても過言ではありません。

無垢材を長持ちさせるお手入れ方法

無垢材は一般的な建材に比べデリケートなので、お手入れに配慮することが大切です。

美しい風合いを長く維持できるように、定期的にメンテナンスしましょう。

塗装によってお手入れは異なる

まず知ってほしいのは、無垢材は仕上げの塗装によってお手入れ方法が大きく異なるという点です。

コーティング系塗装(ウレタン、ガラスコーティング)

コーティング系塗装では、無垢材の表面に固い膜を形成します。撥水効果や防汚効果が高く、基本的にメンテナンスフリーですが、10~20年ほどで剥がれが進んでいきます。その際の再塗装は業者に依頼する必要があり、自身での修復は難しい作業です。

浸透系塗装(オイル、自然塗料)

無垢材の表面を固めずに、浸透するタイプの塗装です。

木肌の風合いを損なわないため無垢材との相性が非常によく、調湿性を妨げることもありません。オイル等により水分を弾き汚れにくくする効果があります。

コーティング系塗装の無垢材は基本的に通常の建材と扱い方が変わらないため、この記事では浸透系塗装の無垢材のお手入れについて説明します。

 

日常のお手入れ

  • 掃除機・ほうきがけ
  • ぞうきんで乾拭き

日ごろのお手入れでは、基本的に掃除機やほうきを使用してホコリを取り除きます。

その際、ガンガンとぶつけてしまうとキズや凹みの原因に。「優しくゆっくり」を心がけましょう。

棚や家具といった部分に関してはぞうきんで乾拭きし、汚れやホコリを落とします。

 

大掃除(半年~年1回)のお手入れ

  • 固く絞ったぞうきんで拭く
  • 最後に乾拭き

半年から1年近く経つと、汚れが蓄積され目立つようになります。

無垢材は水を吸いシミを作りやすい性質を持つので、できる限り固く絞ったぞうきんで拭いていきます。それでも落ちない汚れがある場合は、中性洗剤を薄めたものを含ませ拭き取りましょう。

最後に乾拭きをして水分を除くことをお忘れなく。

 

キズ・汚れが目立つときのお手入れ

頑固な汚れやキズができてしまったという場合、有効なのはサンドペーパーを使って削り取ることです。削った部分にオイルを塗りなおすことで、元の風合いを保つことができます。

あまりにも深い傷や汚れは施工会社に依頼しましょう。程度にもよりますが、カンナ掛けとスチームアイロンなどの組み合わせで魔法のように修繕する職人さんもいるものです。

まとめ

今回は、無垢材の特徴やメリット・デメリット、お手入れ方法についてお伝えしました。

多くのメリットをもたらす無垢材ですが、その魅力を活かすためには建築会社の高い技術と知識が必要です。

 

福岡を拠点とする辰巳工務店では、自然素材を使用した家づくりを行っています。内装材に無垢材を活かすのはもちろん、構造材にはすべて手刻みによる無垢材を使用しています。

一般的には適切に扱える建築会社が少なくなった無垢材ですが、弊社での無垢材使用はむしろ日常。大工職人のさらなる技術研鑽も怠りません。

実績があるからこそできるご提案があります。

無垢材を使った家づくりをご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。