人にも環境にもやさしい家とは？快適でエコな家づくりのススメ

住宅を含む建築は、地球環境に大きな負荷を与えている事実をご存じでしょうか。

地球温暖化の原因となっているCO2のうち、なんと約3分の1が建物のライフサイクルを通じて排出されています。

省エネ性能の高い家に住むことは、CO2排出を抑え地球環境に貢献できるだけでなく、少ないエネルギーで快適な住空間を実現することにつながります。つまり、環境にやさしい家は人にも家計にもやさしい家と言えるのです。

今回は、快適でエコな家の特徴やメリット・デメリット、省エネ性の高い設備や建材を紹介します。

「省エネも住み心地もコスパも、ぜんぶ叶える家に住みたい！」そんな方はぜひ参考にしてくださいね。

 

環境にやさしい家ってどんな家？

環境にやさしい家とは、家を建てる地域の気候風土を考慮しながら自然エネルギーを最大限に活用する家のことです。

一般的には「省エネ住宅」や「エコ住宅」、「エコハウス」などと呼ばれ、建設からライフサイクルまでを通じてCO2の排出量を減らし、地球環境への負荷を抑える仕組みになっています。

環境にやさしい家はいくつか種類があり、主に以下のタイプの住宅が挙げられます。

 

• 長期優良住宅：耐久性や耐震性、省エネ性など国が定めた認定基準を満たす住宅
• ZEH住宅：省エネルギー性能と創エネルギーの組み合わせで、年間の消費エネルギー収支をゼロにする家
• 低炭素住宅：CO2の排出量を抑える対策と高い省エネ効果が認められた家
• LCCM住宅：住宅の建設から解体までのライフサイクル全体において、CO2削減への対策が講じられた家

これらの家に共通する具体的な特徴について見ていきましょう。

自然エネルギーの活用

環境にやさしい家の一番の特徴と言えば、自然エネルギーを上手に活用する点が挙げられます。

太陽光や地熱、風力など、自然界に存在するエネルギーを使うことで、石油や石炭、天然ガスなどに由来するCO2を排出するエネルギーの使用を抑えます。

普及が進んでいる太陽光発電システムは、枯渇することのない再生可能エネルギーとしても地球環境への貢献度が大きい自然エネルギーの活用方法です。

高気密・高断熱

住宅でのCO2排出量を減らすためには、まずエネルギー使用量自体を低く抑えることが重要です。

そのためには、外気の影響を受けにくく室内温度を保ちやすい家づくりをすることが必要。そんな家づくりに欠かせないのが、高い気密性・断熱性です。

外壁や屋根、窓サッシなどに気密性・断熱性を特化させた家は、暑い夏や寒い冬でも家全体の寒暖差を抑えられるため、部屋ごとの温度変化を感じにくい快適な空間を実現します。気温差を要因とするヒートショックや家の結露なども起こしにくく、健康面でのメリットも大きいでしょう。

地震に強く長持ち

地球にやさしい家では、頑丈な構造体や強い耐震性能を持つことで家の寿命を延ばし、建て替えや修繕に起因する環境負荷を減らします。

耐久性が高い家であれば、次の世代が継承する際や築古の中古物件として購入した際も、建て替えることなく住み継いでいけるでしょう。

また、耐震性の高い家は震度6や7といった大地震でも倒壊せず家族を守ります。安全性はもちろん、補修等のメンテナンスも最小限で済み、CO2排出につながる廃棄材や新たな建材の入手といった資源の無駄遣いを減らせます。

サスティナブルな建材

 

環境にやさしい家のメリット・デメリット

環境にやさしい家は、省エネルギー性や快適性が取り上げられることが多いですが「実際の暮らしにどんな影響があるの？」と考える方もいるでしょう。

具体的なメリット・デメリットを紹介していきます。

メリット

ランニングコストが安い

環境にやさしい家は省エネルギー性が高く長持ちする家になるため、光熱費やメンテナンス費を大幅に抑えられます。太陽光発電とオール電化を組み合わせれば、光熱費０円どころかプラスの利益が出る可能性も。

耐久性が高く劣化しにくい工夫が施された家は、内外装や構造体に係るメンテナンスのスパンを長く延ばせるため、結果として数百万円単位の節約になる可能性もあります。

 

1年中快適な室内温度

世界最低レベルと言われている日本の家の断熱性能。しかし、環境にやさしい家では、断熱性が高いため外気温に影響されにくく、家中どこにいても寒暖差をあまり感じません。

夏場2階に上がったときに感じるムワッとした暑さも、冬場に感じるトイレや浴室での寒さも感じにくい快適で健康的な住まいになるでしょう。

 

災害に強い

環境にやさしい家は高い耐震性能を持つため、大地震や台風といった自然災害にも負けない強い家になります。

また、太陽光発電システムや蓄電池を搭載すれば、災害時に電気やガスなどのライフラインが損傷を受けても、電気を使う生活を維持できます。

 

デメリット

初期コストが高い

環境にやさしい家をつくるためには、高性能化のための設備や自然素材の建材などを導入し、そのための設計・施工コストも必要です。

一般的な家よりも、家全体の建築費用は高くなる傾向にあります。

ただし、ランニングコストの削減により初期コストを回収できる見込みは十分にあるため、長期的なライフサイクルコストを考えながら検討しましょう。

 

会社により設計力・施工力にばらつきがある

環境にやさしい家については、住宅の種類により基準がそれぞれ異なります。また、関連する補助金制度を活用する際にも、交付要件をクリアしなければなりません。

必要に迫られ省エネ住宅に対応する会社は急増していますが、地域の気候風土を熟知したうえで適切に施工ができる会社というのは、まだまだ少ないのが実情です。

長らく地域で営業しながら、省エネ住宅等についてもきちんと実績を持つ会社を優先して選びましょう。

 

環境にやさしい家づくりで採用したい設備や建材

環境にやさしい家を建てるためには、どんな設備や建材を使用すればいいのでしょうか。

それぞれ紹介していきます。

太陽光発電システム

さらに、蓄電池を組み合わせることで、悪天候時や夜間にも発電した電気を使えるようになり、電力会社から購入する電気を減らせます。

電気自動車をお使いの家庭では、車に貯めた電気を住まいに使える「V2H」もおすすめです。バッテリー容量も大きくコストパフォーマンスの良さが魅力です。

高効率給湯器

電気式の「エコキュート」やガス式の「エコジョーズ」は、通常の給湯器よりも省エネルギーでCO2排出量が少ない高効率タイプの給湯器です。

初期コストは少々高くなりますが、光熱費の削減には期待が持てます。補助金制度を活用できる場合があるので、導入時は活用を検討しましょう。

高断熱窓サッシ

住宅の窓において、冬は約6割の熱が逃げ、夏は約7割の熱が入り込むと言われています。

家の断熱性を高めるためには、性能の高い窓サッシを採用することが大変重要。

断熱窓には、樹脂サッシや2～3枚の複層ガラス、ガラス間に特殊な金属膜を設けた「Low-E複層ガラス」など、断熱性能のレベルによってさまざまな種類があります。

性能が高くなるほど価格も上がるため、地域や家の必要性に応じたレベルを見極めることが重要です。業者やメーカーから詳しく説明を受けましょう。

自然素材の建材

一般的な住宅でよく採用されるビニールクロスや合板を使用したフローリング・建具といった建材は、劣化が進めば廃棄・交換による方法でしかきれいになりません。

一方、無垢材や漆喰といった自然素材は部分補修やお手入れにより何十年と使い続けていくことができます。

また、自然素材は調湿性・蓄熱性・消臭性に優れ、化学物質も発しないため、健康にやさしい家づくりが可能です。

国産の木材

海外から木材を輸入するには、船や自動車での運送時に大量の化石燃料を使用し、結果として環境負荷につながります。

住宅に使用する木材などをできる限り国産材にすることで、輸送エネルギーを減らし国内の木材自給率を上げることも可能です。

自然エネルギーを活用する「パッシブデザイン」

パッシブデザインは、特別な機械装置を用いずに、建物構造や材料などの工夫によって熱や空気の流れを制御し、快適な室内環境をつくりだす手法です。

季節の変化も考慮しながら自然エネルギーを活用できるパッシブデザインも、環境にやさしい家のひとつ。

ただし、設計者の手腕に左右されやすいデメリットがあります。専門に設計を行う会社や事務所への依頼が安心です。

 

まとめ

家族も地球もうれしい環境にやさしい家。

ただし、ライフスタイルや人生設計を顧みないオーバースペックな家は、幸せをつくるマイホームにはなり得ません。

自分たちの暮らしに合っている内容であるかを見極め、必要なレベルを満たす分の性能を付与しましょう。省エネ住宅には、補助金制度や税金・住宅ローン金利の優遇制度を活用できます。積極的な検討をおすすめします。

福岡の辰巳工務店では、自然素材の家や古民家リノベーションを手掛け、新築からリフォームまで幅広く対応しています。

「永く住まう家」をコンセプトとし、健康で安全、そして環境にやさしい家づくりを行っています。

環境負荷の少ない住み心地の良い家を建てたいとお考えの方は、辰巳工務店までお気軽にご相談ください。