造作洗面台は後悔する?失敗例と対策を紹介

近年、人気が高まり続けている造作洗面台。

比較的安価でカスタマイズしやすく、おしゃれな空間づくりができるため、新築時やリフォーム時に取り入れたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

しかし、中には「採用して後悔した」という意見も少なからず存在するようです。

この記事では、造作洗面台の具体例な失敗例と対策を紹介します。

事前に後悔しやすいポイントを知ることで、デザイン性と機能性を兼ね備えた満足度の高い造作洗面台の実現につながります。ぜひ参考にしてください。

造作洗面台10の失敗事例と対策


造作洗面台の後悔ポイントはご家庭によりさまざまですが、特に陥りやすいよくある失敗事例を、それぞれの対策とあわせて紹介します。

掃除が大変

造作洗面台は、カウンター材や洗面ボウル、水栓などをそれぞれカスタマイズして組み合わせるため、一般的なシステム洗面台のように一体型ではなくありません。

洗面ボウルとカウンターの継ぎ目や水栓の根元などに水滴やホコリが溜まりやすく、お手入れの大変さを感じることも。

タイルや木材を使用した場合、カビや水垢が気になりやすくなる可能性もあります。

 

【対策】

洗面ボウルやカウンターなど、水がかかりやすい箇所には部分的に既製品を使用するとメンテナンス性が上がります。洗面ボウルとカウンターに目地が出ない人工大理石の一体成型タイプもおすすめです。

また水栓については、壁付けタイプや洗面ボウルに直接設置するタイプのものを選べば、水はけがよく頻繁な吹き上げを必要としません。

 

収納が足りない

シンプルなカウンターと鏡といった組み合わせの洗面台の場合、ほとんど収納スペースがないというケースも少なくありません。

洗面台回りは、化粧品やドライヤー、洗剤のストックなど、意外に物が多いもの。せっかくの造作洗面台も、ごちゃごちゃと散らかってしまえばおしゃれさは半減します。

 

【対策】

造作洗面台をつくる場合には、あわせて収納スペースもしっかり計画しましょう。

洗面台の上下左右に、デザインイメージに合わせた造作棚やニッチを設けます。シンプルなデザインのミラーキャビネットを合わせるのも人気の手法です。

棚には扉を付けず、ラタンのカゴなどを用いてもおしゃれな雰囲気がつくれます。

 

水ハネが気になる

デザイン性を優先して洗面ボウルを選び、使いにくいと感じるケースは少なくありません。

特に、底が浅い洗面ボウルは水が跳ねやすく、洗面台回りが汚れやすくなることも。さらに、水栓の吐水位置によっても、水ハネが起こりやすくなることがあります。

 

【対策】

洗面台に使用する洗面ボウルは、ある程度底の深いものを選ぶと水ハネの心配がなくなります。

水栓の形状や位置も重要です。メーカーや施工会社に水栓とボウルの組み合わせや位置のアドバイスをもらいましょう。ショールームなどで実物をチェックするのも大切です。

どうしても水ハネが気になる箇所には、汚れをふき取りやすくシミやカビの心配のないパネル材を使用するとお手入れが楽になります。

 

水栓が短い

洗面台で頭を洗ったり、バケツなどを置いて使ったりする習慣のある方は、水栓選びで失敗してしまうことも。

おしゃれな水栓は、シャワー機能がなく十分な長さがない場合も多いものです。

 

【対策】

日ごろの使い方に合わせて、シャワータイプなどの水栓を選びましょう。

機能性の高い水栓は多少デザイン性が劣る傾向がありますが、鏡や照明をこだわるだけでもおしゃれな雰囲気に仕上がります。

 

照明が暗い

デザイン性の高いブラケットライトや間接照明は造作洗面台をさらにおしゃれに演出します。しかし、暗くて使いづらさを感じてしまうケースが。

電球色のライトを使用していたり、ミラーキャビネットに光が遮られてしまったりすることが主な原因です。

 

【対策】

身だしなみを整えたり顔色をチェックしたりする洗面台は、自然の太陽光の色に近い「自然色」や「昼白色」のライトを採用するのがおすすめです。

また、鏡をのぞいた時にもきちんと顔に照明が当たるように位置を検討することが大切。特に、厚みのあるミラーキャビネットなどを設ける場合は、光影が生じないよう注意しましょう。

 

コンセントが使いにくい

コンセントは、施工会社が当然計画してくれるだろうと考え詳細を確認せず、使い始めてから「数が足りない」「位置が悪い」と感じてしまうケースが多く見られます。

 

【対策】

計画時点で、必要なコンセントの数と使い勝手の良い位置を検討しましょう。

何カ所もコンセントを露出させたくないという場合には、収納棚やキャビネットの中に設けるのもおすすめの方法です。

 

カウンターにカビ・シミができた

造作洗面台のカウンター材としても人気の木材ですが、カビやシミが発生しやすいデメリットがあります。一般的に木材はカビ取り剤などの使用ができないため、どんどん広がるカビやシミに後悔を感じる方も少なくはないでしょう。

 

【対策】

木材カウンターでも美しく保つには、水が浸透しづらいウレタンやガラス塗料などを塗布してもらいましょう。

できる限りお手入れの手間を減らしたいという場合には、人工大理石やメラミン材を使用したカウンターがおすすめです。

気が付いた時にサッと拭き取れるよう近くに布巾を置いておくなど、日ごろから環境を整えることも大切です。

 

費用が高すぎた

造作洗面台はシステム洗面台に比べ、手間や建材費が増すために工事費用が高くなる傾向にあります。

仕様にこだわり過ぎて、結果的に予算オーバーしてしまうことも。

 

【対策】

一般的な造作洗面台の費用相場などについて施工会社からアドバイスを受け、はじめに予算を決めてしまうことが大切です。

施工会社にとっても、予算が決まっていればその範囲での提案がしやすくなり、結果として選択肢の幅が増えることもあります。

できる限り予算を抑えたいという場合には、洗面台と洗面ボウル部分を既製品、棚やミラーを造作でつくるなど、既製品を活かすことも考えてみましょう。

また、収納部分は扉や引き出しのないオープンタイプすると大幅に費用を抑えられます。

 

メーカー保証がない

造作洗面台は、さまざまな部材をカスタマイズして組み合わせるため、メーカーによる保証が付きません。

万一アクシデントが発生した際に、問い合わせ先に困ったり、業者の対応が遅くなったりすることも考えられます。

さらに、海外製のものや施主支給した建材を使い際にも注意が必要です。交換部品が取り寄せられないといった理由により、施工会社さえ修繕できない可能性があります。

 

【対策】

計画段階で、施工会社にどのようなアフターサポートがあるのかを事前に確認しましょう。

洗面台のセットでの保証はなくても、水栓や洗面ボウルなど単体に関してはメーカー保証が付くケースもあります。

また、近年はシステム洗面台でも「造作洗面台風」の商品が各メーカーで展開されています。出来る限りメーカー保証が欲しいという場合には、このようなタイプを検討してみるのも一つの方法です。

 

配管メンテナンスができない

造作台の仕様によっては、給排水管部分を覆い隠すなど、メンテナンス性に配慮されていないケースもあります。そのような場合、トラブルの際には部分的に洗面台を解体することもやむを得ません。

 

【対策】

給排水管の中でも「排水トラップ」と呼ばれる管がある部分は、必ずメンテナンス可能な仕様にすることが重要です。

施工会社が当然考慮してくれるだろうと過信せず、計画段階からきちんと確認するようにしましょう。

 

造作洗面台の後悔を防ぐポイント

使い勝手をイメージする

 

造作洗面台を計画するうえで一番大切なことは、使い勝手をイメージしながら仕様決めすることです。

一日の時間帯ごとに、洗面台を使う人数、用途などを具体的にイメージします。

朝に複数人が使用して込み合うようであればツインボウルが良いかもしれませんし、洗面ボウルに水を張って洗い物をする習慣があれば大きなサイズが便利かもしれません。

収納スペースについては、現在洗面台回りある物の量をチェックし、どの程度の容量を確保すればよいか検討することが大切です。これから家族が増える、または小さなお子様のいるご家庭は、スペースに余裕を持って収納を設けるのもポイントです。

 

お手入れのしやすさを重視する

いつでもスッキリと片付いていることも、おしゃれな洗面台の大切な要素です。

「シミやカビができにくい」「水垢が目立ちにくい」など、デザイン性だけでなくメンテナンス性にも配慮すると、いつもでもきれいが続く造作洗面台を実現できます。

 

既製品との併用も検討する

既製の洗面台は、メンテナンス性や機能性、水栓と洗面ボウルの相性など、非常に細かいレベルで研究され、多くのメリットがあります。

造作洗面台に既製品を部分的に採用すれば、おしゃれさと使い勝手の両立が叶うでしょう。システム洗面台の使用に慣れているご家庭でもおすすめの方法です。

 

まとめ

今回は、造作洗面台の失敗事例と対策を紹介しました。

造作洗面台は、比較的低コストでもおしゃれな空間づくりができるおすすめの工事内容です。

デザイン性だけでなくメンテナンス性や機能性にも配慮しながら、こだわりの造作洗面台を完成させましょう。

 

福岡の辰巳工務店では、自然素材を使った家づくりを手掛けています。

新築はもちろん、ご家族のライフスタイルに合わせたリフォーム・リノベーションも得意としています。

おしゃれで使い勝手の良い造作洗面台をつくりたいとお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。