新型コロナウィルスの感染拡大で外出自粛の生活スタイルが日常となったことから、在宅での働き方を考える機会が多くなり、自宅兼事務所を導入する人が増えました。
自宅に仕事場を構える「ホームオフィス」は、快適な在宅ワークが叶うだけでなく節税対策にもなることをご存じでしょうか。
今回は、自宅兼事務所のメリット・デメリット、節税対策やリフォーム時のポイントについてお伝えします。
自宅で自由な働き方をしたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
ホームオフィスのメリット・デメリット
まずは、ホームオフィスを導入するメリット・デメリットを確認していきましょう。
メリット
1.初期費用やランニングコストを抑えられる
ホームオフィスでは、事務所の賃料やシェアオフィスの利用料がかかりません。
初期コストとランニングコスト両方を抑えることで、大幅なコストカットが可能です。
2.通勤がない
往復の通勤にかかる時間を節約できるだけでなく、つらい満員電車に悩まされることもありません。遅刻などのリスクを回避できる点も魅力のひとつです。
空いた時間は仕事の事前準備やちょっとしたウォーキング、家事に充てることも可能。余裕を持った時間管理ができます。
3.家賃や光熱費の一部を経費にできる
自宅と事務所を兼用することで、家賃や光熱費の一部を経費として計上することができます。
この点が節税となるポイントです。次項でくわしく説明します!
4.家事・育児との両立がしやすい
家庭との両立がままならず、キャリアを断念してしまう方は少なくありません。
しかし、ホームオフィスであれば家事や育児をこなしながら仕事を続けていきやすい環境が整います。結婚や出産を機に自由な働き方を模索する方にもおすすめのスタイルです。
デメリット
1.仕事とプライベートがあいまいになる
自宅と仕事場を兼ねると、どうしても区別がつきにくくなります。
夜間や休日にもずるずると仕事を続けてしまったり、はたまた仕事中に家族の会話や行動が気になってしまったりという恐れが。
メリハリをつける工夫が必要です。
2.自宅住所を公開しなくてはならない
住所を取引先へ伝えたり、名刺へ記入したりすることは必然です。
事業によっては登録地を広く公開しなければならないケースもあり、自宅住所をさらしたくないという場合には注意が必要です。
自宅兼事務所が節税になるワケとは
ホームオフィスのメリットでも述べましたが、自宅と事務所を兼ねると家賃や光熱費の一部を経費にできます。
個人事業主の場合は「家事按分」という考え方を適用することで、家賃や光熱費のうち事業にかかる費用を一定の割合で算出して経費に計上可能です。
また、持ち家の場合では固定資産の対象とすることで、経年劣化に合わせて決められた期間(法定耐用年数)のうち毎年使った分だけを経費として計上できます。この概念を減価償却といいます。
上記の「家事按分」「減価償却」という計上法を利用し、通常は住まいにかかる費用を事業の経費に活かすことで、節税が叶うという訳です。
また、リフォームを行った場合でも一定の割合で経費または減価償却資産へ計上できるケースがあります。
しかし、いずれの場合でも事業分の割合が高すぎたり過度な計上があったりする場合には、むしろ税額が増えたり税務調査で指摘を受けてしまったりする可能性があります。
税理士などへ相談しながら、適切な納税額を算出しましょう。
住居から兼用事務所へリフォームする際のポイント
住まいをホームオフィスへリフォームする際には、いくつかのポイントをおさえることで仕事が捗る快適な空間を実現できます。
以下にくわしく見ていきましょう。
オン・オフを切り替えやすい間取りを意識
普段暮らしている場所をオフィスにするには、プライベートスペースをいかに区別するかがポイントとなります。
個室を設ければ完全に生活空間と分けることができますが、日中家族がいない時間が常時あれば間仕切り程度でも可能な場合があります。
また、テレビの雑音や人の出入りの多いLDKは視線に入らないようにする位置が有効です。住まいに子どもやペット、ルームメイトがいる場合は簡単に侵入できない工夫も必要でしょう。
なるべく集中できるスペースを確保することが大切です。
書類や備品を収納できるスペースを確保
オフィスを常に整頓しておくことは、仕事の効率化に直結します。
自宅を兼用事務所にする際はスペースが限られていることもあり、最低限デスクとチェアを用意するだけといったケースも少なくありません。
しかし、仕事に関係するものは書類・書籍、文房具、パソコン周辺機器など意外に多いもの。事務所機能を十分に発揮させるためには、それらをきちんと収納するスペースを確保することが大切です。
こだわりの設えでお気に入りの空間に
無垢材を使った贅沢なカウンターデスク、たっぷり収納できる造作棚、色味が絶妙なアクセントクロスなど、ぜひこだわりの設えを採用してみましょう。
毎日過ごす場所は「お気に入りの空間」となることで、グッとモチベーションが上がります。また、住まい部分と異なる空間イメージにすることで、自然にオン・オフの切り替えもしやすくなります。
来客があるならスペースを考慮
事業関連の来客があるという場合、家族が使うリビングで接待…という訳にもいきません。よほど親しい間柄でない限り、来客用のスペースを設けるのが望ましいでしょう。
しかし、限られたスペースで客間を用意するのは少々難しいかもしれません。その場合は、事務所部分にゆとりを持たせ大き目のデスクを設置したり、普段はリビングの一角にある畳スペースを仕切って使ったりという方法も考えられます。
リラックス空間を取り入れよう
企業の広いオフィスに比べ、自宅はどうしても窮屈になりがちです。
適度にリラックスできる空間があると、仕事のよい息抜きにもなるでしょう。ただし、いつものリビングなどでは完全に仕事モードがオフになってしまうので注意が必要です。
おすすめなのは、家の中間スペースにくつろぎスポットを作ること。中庭に面した窓がある廊下や、小さな書棚を設けたホール、ベンチを置いたベランダなど、ちょっとした設計の工夫でリラックス空間をつくることができます。事務所スペースと隣接させると、なお使いやすい空間になるでしょう。
まとめ
自宅兼事務所のメリット・デメリットや節税対策、リフォーム時のポイントについて紹介しました。
自営業者はもちろん会社員でも在宅ワークが定着しつつある現在、通勤はもはや当たり前ではありません。働きやすさを求めるならば、ホームオフィスを検討してみてはいかがでしょうか。
辰巳工務店は自然素材の家づくりを通じ、一年中快適な住環境をご提案いたします。ライフスタイルに応じたリフォームも得意とし、長年の実績と技術力でお客様の理想を実現いたします。
自宅兼事務所のリフォームをご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。