古民家をおしゃれにリノベーションする方法|費用相場や注意点もご紹介

近年、リモートワークが進んだ背景により地方移住者が増加し、古民家リノベーションへの注目も高まっています。

古民家のリノベーションは、古い家独特の趣を活かしながら現在の暮らしに合わせた家づくりができる点が大きな魅力です。

今回は、古民家を快適に、そしておしゃれにリノベーションするための方法をお伝えします。改修にかかる費用の相場や注意点も併せて解説!

都会にはない環境で唯一無二のマイホームを手に入れたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

古民家リノベーションの3大メリット

古い日本家屋の佇まいを活かしながら、住まう人にとって暮らしやすい家につくり直すことを古民家リノベーションといいます。

古民家とは一般的に築50年以上の日本家屋を指し、中には築100年を超えるような趣深い建物もあります。そんな古民家をリノベーションする3つのメリットについて見ていきましょう。

その1.趣と風情にあふれた住まいを実現できる

古民家は、住人による何十年もの営みによって醸成された独特の雰囲気があります。

頑丈で太い柱や梁は囲炉裏のススにより燻され黒くツヤを持ち、長年踏みしめられた土間のタタキは柔らかな温かみを醸し出します。

新築では決して手に入らない建物の味わいを活かせるという点は、古民家リノベーションの醍醐味と言えるでしょう。

家はデザインに流行り廃りがありますが、古民家には時代の変化にとらわれない普遍的な魅力があります。

その2.最新の機能・性能を付与できる

味わい深い古民家でも、そのままでは寒さや暑さ、耐震性や防犯性など、暮らしやすさに不安な点が多いのも事実です。

古民家リノベーションでは、断熱材や耐震金物、最新の設備機器を取り入れることで、現代のライフスタイルに合わせ住まいの機能性を上げることができます。

また、適宜間取りの変更や収納の追加をすることで、使い勝手の良い快適な住み心地を得られるでしょう。

その3.良質な建物を格安で入手できる

古民家に使用されている柱や梁といった構造材や、木戸や障子・襖などの建具などは、そのほとんどが国産の無垢材でつくられた大変価値のあるものです。

現在では同様の材料を調達することはおろか、同じようにつくりだす職人の技術さえ失われている可能性があります。同じ仕様で新築を建てようとすれば、億単位の建築費用がかかると言っても過言ではありません。

そのような良質な建物が格安、もしくはただ同然で手に入るケースがあります。コストを抑えながら魅力的な住まいに住めるというメリットに加え、リフォームを手掛ける業者や職人にとっても多くを学べる貴重な機会となるでしょう。歴史を後世につなぐ役割としても大変意味のある行いです。

 

古民家をおしゃれにリノベーションする方法

構造・素材をデザインに活かす

古民家をおしゃれにリノベーションする際の一番のポイントは「もともとの構造・素材を活かす」という点です。

長年使われた太い柱や梁を隠さずに内装に活かせば、伝統的な木造建築が持つ懐かしさや温もりを残せます。美しい建具や欄間も上手にデザインを活かすことで、趣深くモダンな印象に変えることができるでしょう。

「土間をつぶして部屋を広く」といった改修も良く行われますが、つぶしてしまうのはもったいない!

アウトドア用品や日用品の収納場所として、DIYや自転車の整備など趣味の作業場所として、第二のリビングとして、ペットの居場所として…ライフスタイルに合わせたさまざまな使い道が考えられます。

古民家リノベーションでは「何を取り入れたいか」よりも「何を活かせるか」を優先して考えるようにしましょう。

自然素材を採用する

古民家リノベーションをするなら、自然素材の建材がぴったりマッチします。

漆喰や珪藻土の壁、無垢材のフローリング、柿渋や紅殻などの塗料を使用すれば、新しいものでも自然に馴染み、時間を重ねるごとに風合いを増していくでしょう。逆に、最もポピュラーである複合フローリング(合板に木目調のシートが貼られたもの)やビニールクロスは経年時に風合いが増す「エイジング」ではなく「劣化」が目立ってしまいます。

すべてに自然素材を採用するのが予算的に難しいという場合は、収納など目立たない場所に新建材を、リビングなど目立つところに自然素材を使用するといったように、コストとデザインのバランスを取ることをおすすめします。

建物のテイストに合わせて家具を選ぶ

趣深い古民家には、レトロ感やヴィンテージ感のある家具が良く似合います。

使い勝手に合わせて新品の家具を調達するのも良いですが、中古家具店や骨とう品屋をめぐるのもおすすめです。

 

シンプルでモダンなテイストの家具を選ぶ際には、プラスチック製などを避け、木や布、ガラスなど素材感のあるものを選ぶと上質な雰囲気が出せるでしょう。

家具のテイストに合わせてラグを敷くと、空間がきれいにまとまりおしゃれさがグッと増しますよ。

 

古民家リノベーションの費用相場

建物の状態や施工内容により大きく異なる

古民家リノベーションにかかる費用は建物の状態や施工する内容によって大きく異なりますが、一般的な戸建住宅よりは高い傾向にあります。

新しい設備の導入と間取り・内装デザインの変更程度であれば500万円程度の予算でも可能です。外装などを含めリノベーションする場合には、1000万円程の予算で検討する方が多くなります。

しかし、古民家は柱の根腐れや建物自体の沈下など、根本的な問題を抱えている場合も少なくありません。そのようなケースで「この先何十年も残していきたい」という意向がある場合には、大掛かりな工事が必要になるために、数千万円といった費用がかかる可能性もあります。

工事範囲をよく検討する必要あり

古民家リノベーションはケースにより多額の費用が発生する場合があるので、コストを重視するのか、建物の品質を維持したいのかをよく考える必要があります。

それらの希望により、工事するべき範囲がおのずと決まってくるでしょう。

最低限の工事で住みやすい家にしたいと考えるならば、そもそも古民家を購入する前のタイミングで施工会社や設計士などに同行してもらうことが効果的です。事前に建物の問題を洗い出し、予算にどの程度影響するかを説明してくれるでしょう。

 

古民家をリノベーションする際の注意点

機能・性能面の強化

古民家で快適に住まうためには、デザインだけでなく機能・性能面を改善することが必要です。

基本的に古民家は耐震基準が設けられていなかった時代の建物のため、耐震補強を行うことが望ましいと考えられます。

また、古民家は風通しを考慮された建物であるため、夏涼しく冬暖かい室内環境を保つには断熱の強化が必須となるでしょう。

古民家は現在の建物構造とは異なる部分も多いため、一部分のみのリノベーションでは耐震補強や断熱材の施工が難しい場合もありますが、なるべくコストをかけて優先的に行いたい内容です。

古建築を扱う施工会社への依頼

現代の戸建て住宅も多くが木造ですが、建てる仕組みは古民家と大きく異なります。

そのため、一般的な新築やリフォームを専門とする会社では古民家の扱いが難しい場合があるのです。表面的にはきれいになったように見えても、見えない部分の処理が不適切で、むしろ建物を傷めてしまう可能性もあります。

例えば、根腐れを起こした柱を修繕しなくてはならないケースでは、技術力と経験値の高い大工であれば新しい柱を古い柱に合わせて加工し「根継ぎ」します。しかし、それが出来ない場合は、古材を廃材にして新しい柱にすげ替えるしかありません。

古民家リノベーションは思いもよらない事態が度々起きます。古建築を多く扱った実績の多い会社であれば、その都度的確な対策を講じることができるでしょう。

工事期間の延びや費用追加を想定しておく

古民家リノベーションは、屋根裏の雨漏りや壁の中のシロアリなど、工事を始めてから多くの問題が発覚することがよくあります。

多少の変更や追加は契約金額内で納まることがほとんどですが、大きな問題に対処するには追加予算や工期が必要になる可能性もあり得るでしょう。

新築工事のようにすべて予定通りには進まないものととらえ、ある程度の変更や追加に対しても余裕を持っておくことが大切です。

 

まとめ

今回は、古民家をおしゃれにリノベーションするための方法、その費用相場や注意点を解説しました。

自然素材の家づくりを手掛ける辰巳工務店では、古民家リノベーションの実績を数多く持ちます。

継承された技術力を活かし、大切に受け継がれた古民家を理想のお住まいに変えるお手伝いをいたします。

古民家リノベーションをご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。